台風一過

今年も台風のシーズンがやってきました。
茨城に上陸する予報だった今回の台風は、ギリギリ海上を迂回するルートだったので、思ったほどではなくてホッとしましたが、今後間違いなく発生するであろう台風には十分警戒する必要があります。
台風といえば豪雨と強風、どちらも建物にとっては天敵となります。

台風が来るという予報があると、現場において風で物が飛んでいかないか、雨水が浸入しそうなところはないかとあたふたと事前準備をして、状況によっては、台風のなか田んぼの様子を見に行くおじいさんのように、現場へ向かうことも時にはあります。
強風で現場においてあるものが、隣地や道路に飛んでいったら大変なことになるので。

そして、引き渡し済の建物に関しても、万が一が起きてクレームの電話があったらどうしようとヤキモキするのが建築関わるものにとっての常です。(幸いなことに、今まで台風でお怒りのクレーム電話がきたことはないですが)

雨漏りの主な原因箇所

雨漏り、というと屋根からというイメージを持ってる人が多いかと思いますが、調査によると、実際に雨漏りが多いのはバルコニーとサッシ周りという結果が出ています。

雨漏り統計

住宅瑕疵保険会社の日本住宅保証検査機構(JIO)が、2017年3月にまとめた実態調査によると、3割が開口部(サッシ周り)2割がバルコニーで、屋根はその他になります。
震災を経験された方は多いと思うのですが(当時築25年の我が家も瓦屋根をやられました)、屋根をブルーシートで応急処置しただけでも、結構雨漏り対策にはなりました。
屋根の下にはアスファルトルーフィングが敷いてあることが多いのですが、屋根はルーフィングシートだけでも風雨にある程度耐えられることができます。
もちろん、だからといって屋根工事を手抜きしてもいいというわけではありません。

弊社では新築工事において、急所となりやすいサッシ周りやバルコニーは、特に気を遣って施工しています。サッシとの取り合い部分はコーキングと透湿防水シートによってのみ守られている脆弱な状態ですから、ちょっとした施工ミスや手抜き工事が命取りになりかねません。

笠木防水

防水スパットによる取り合い部防水工事

サッシ防水

サッシ周りの防水

 

なお、いまだに裏返ししたサイディングを笠木に被せて施工している建物を見かけますが、それはメーカーで絶対にしてはいけないこととして注意喚起されています。サイディングの裏側は防水処理されていないので、防水対策としてはまったく役立たないばかりか、雨水をため込んで木材を腐朽させる原因にすらなります。百害あって一利なしの施工です。

もし、自宅を新築されている方でバルコニーにサイディングを裏返していて貼り付けている施工をみかけたら、直ちに工事を中止させてください。

笠木への脳天ビス、サイディングの裏返し施工は危険工事

(引用元:日経ホームビルダー2017年9月号)

どれだけしっかりと防水対策を施したとしても、時間の経過とともに建物はダメージを蓄積していきます。
特に、バルコニーの防水やサッシ周りやサイディング材の隙間を埋めるコーキングは、紫外線によって経年劣化します。
バルコニーの塗装が少し剥げてきたり、コーキング材がどこか割れているのをみかけたら、すみやかに補修工事を行うようにしてください。
ほんの少しの隙間から侵入した雨水が駆体内にとどまると、最悪の状況によっては木材を腐らせて取り返しのつかない事態になります。

弊社では簡易な建物調査でしたら無償でおこないますので、お気軽にお問い合わせください。

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