弊社がひたちなか市にて手がけている新築住宅は、現在大工さんが木工事を滞りなく進め、躯体工事から断熱工事・内装工事の段階に入っています。
駆体部分にあたる木工事が完了しましたので、今までの流れをブログにてご紹介します。
木工事の最初は基礎の上に土台を敷くところからスタートします。弊社では4寸角のヒノキを土台として使用しています。一般的にはベイツガに防腐注入処理されたものを土台として使用しているところが多いですが、アンカーボルト用の穴開けやプレカット加工などで、防腐処理されていないところが表に出てきてしまいます。それらもすべてあとから防腐処理できればいいのですが、実際問題として難しいのが実情です。ですので、弊社は木そのものが耐久性をもち、かつベイツガよりも強度があるヒノキを採用しています。
弊社はオール4寸の家づくりが標準ですので、土台も当然4寸角となります。ちなみに3.5寸と4寸、数字だけだとたいした違いではないように思えますが、3.5寸=10.5㎝・4寸=12㎝、10.5×10.5=110.25c㎡・12×12=144c㎡ ですので、体積だとおよそ3割も違います。
さらに、ベイツガの基準強度が6.0N/m㎡、ヒノキの基準強度が7.8N/m㎡ですので、土台における許容めり込み耐力(土台に柱がめり込むのに耐える力)は、ベイツガの3.5寸が15.4kN、ヒノのキ4寸が25.9kNと、なんと6割も違ってきます。
(参考資料:ヤマベの木構造 山辺豊彦)
4寸角なんて過剰、3.5寸で十分だと思われる方もいるかもしれませんが、実際に許容応力度計算をしてみたところ、3.5寸のベイツガ土台だとエラーがでるなんてことは普通にありますので、住宅というものが数十年単位で使われ続けるものであることを考えれば、個人的には過剰ではないと考えています。
土台が敷き終わったら、上棟を行い駆体の骨組を組み上げて行きます。オール4寸の建物ですので、柱・梁・桁すべて幅・太さが4寸以上となります。
弊社ではデザイン性と耐震性が両立できるよう設計をしていますので、この建物も当然ですが耐震等級3を超える耐震性があるよう施工しています。ちなみにこの建物においては、計算上ですと耐震等級3基準のおよそ2.5倍の耐震性があります。平屋建は荷重が一階部分だけですので、二階建住宅よりも耐震性能は高い数値となります。
梁桁の梁せいに関しても、許容応力度計算をおこなって強度に問題がないことを確認しています。
基本的な耐震性は外壁部分に施工される耐力面材が担う形になりますが、耐力面材だけでは建物の中央部分の強度がないですし、建物の強度に偏りがでますので、筋交いも併用する形で耐震設計をしています。耐力面材が貼ってあるのだからそれだけで十分頑丈なのだ、みたいな建物をたまに見かけますが、耐力面材は外側にしか貼られないので、大きなサッシがつく南面とあまりサッシがつかない北面で強度に差がつきますし、細長い建物だと長手と短手でも強度の差が出ます。短手側は耐力面材の数が少ないので、長手側に当たる強風を想定した耐風計算をしたところ建築基準法の基準に満たなかった、なんてことにもなります。
駆体部分はやがて壁に隠れて見えなくなってしまいますが、見えなくなってしまうからこそ、きちんとした施工が必要です。大金を支払って新築住宅を建てられるお客様に、見栄えだけのハリボテを提供するわけにはいきません。株式東和不動産一級建築士事務所は見える部分と見えない部分、ともにきちんとした設計・きちんとした施工を手がけて、他にない上品質の建物を提供しています。