新築の家を建てられたとき、外構工事のなかに物置やカーポートを設置工事を含む方は多いと思います。そういった居宅とは違う構造物を設置したとき、その形や状況によっては登記の対象となることがあります。
不動産登記法では建物を新築したときは、必ず一ヶ月以内に登記をしなければならない、と定められています。前回のブログでも触れましたが、申請をすべき義務がある者がその申請を怠ったときは、十万円以下の過料に処されます(ただし、今まで不動産登記法違反で過料を支払った例はありません)
これは建物を新築したときだけではなくて、建物を増築したとき、もしくは物置や車庫などを敷地内に新たに作ったときも同じ扱いになります。
これらのときも新築建物と同様に、不動産登記法上は一ヶ月以内に登記の申請を行わなければなりません。
実際には作ってすぐ登記をする人は稀で、借り入れや相続等により必要に迫られてという方が大抵ではあるのですが。
では、どういった構造物をつくると登記の対象になるのか、それは不動産登記法によって建物として認められる要件、すなわち定着性・用途性・外気分断性をすべて満たした場合、登記をしなければいけない建物となります。これらの要件が揃わない建物は登記をすることができませんし、登記をする義務もありません。野球場だとか停留場といった例外的な建物はありますが、一般の登記では無縁だと思うので除外して構わないでしょう。
大きさは一切関係ありません。小さい小屋でも要件を満たせば登記の対象となりますし、ものすごい大きな構造物であっても、要件を満たさなければ、不動産登記法の対象とはなりません。
建物登記に必要な要件
・用途性
作られた構造物に何かしらの意図があるかどうか、が建物として認定される要件となります。建物としての用途が見いだせないナゾのオブジェではダメということですね。もっとも、自邸の庭に謎のオブジェを作る方はレアだと思いますが。。
・定着性
構造物がきちんと固定されていなければ、登記できる建物としては認められません。既製品の物置等でブロックの上に載っているだけのものを使用している方は多いと思いますが、そういったモノは登記の対象とはなりません。
・外気分断性
建物と外気がきちんと壁で遮断されていない建物は登記の対象とはなりません。基本的には4方向、最低3方向の壁が必要となります。つまり、カーポートは登記をしなくてもかまわないですが、シャッター付のガレージとなると登記の対象となり建物表題部変更登記をしなければなりません。
建物登記に必要な書類
書類 | 説明 |
代理権限証書 | 委任状のことです。署名・捺印を貰うことで、委任された証となります。 |
建物図面・各階平面図 | 建物の大きさと位置を示した図面です。土地家屋調査士が作成します。 |
所有権証明書 | 申請人が所有している建物であることを証明する書類です。複数必要になります。 |
基本的には前回のブログで触れた書類と同じものが必要になります。新たに登記をするわけではないので住民票は必要ではなくなりますが、それ以外の書類は新たに新築した場合におこなう建物表題登記と同じです。物置等の設置であっても、それが建物として認定されるのであれば、施工業者から工事完了引渡証明書を受け取る必要があります。
物置やガレージに関しては登記できるできないが案外分かりづらいものです。もし、新築した後に物置等を作られた方で登記が必要かどうか気になるという方がいたら、気軽にご相談ください。